華燭の天使
眩しさが解け、ミカは目を開けた。
目を閉じたのはごく一瞬のことだったはずなのに、気づけばまた箱のようなものの中にいる自分に驚く。
“えっなんですか?!私また捕われたんですか?!”
「ミカ!ちょっと静かにして!」
“あれ、どうしてご一緒しているのでしょう。だって私がお渡しした羽根は…”
「よくわからないけれど、ずっとミカの声が聞こえなくて…。でもちょっと前からまた聞こえるようになったの。」
ミカにも詳しい状況はわからなかったが、おそらく橋を渡りきった頃に案内人たちのところへ戻れたのだと考えた。
「今からお届けにいくから、ミカも準備してね」
ミカが感覚を澄ませれば、彼女が近くにいることがわかる。つまり3枚の羽根が近くにある。だから案内人とのコミュニケーションが取れるのだと納得した。
“それで、あとお2人は?”
「ミカとお話できない間、いっぱい考えたんだ。私たちだけでもできるだけのことをしようって。それで先に2人には向かってもらってる。でもほんとにミカが帰ってきてくれてよかった…。だってミカがいなかったら上手くいくか、」
“心配ありません。”
ミカは知っている。
人間にも魔法が使えることを。
知っていますよ。
ミカは天使ですから。
だから、ね。
さぁ始めましょう。
扉をひらけば、ふたりはすぐそこに。
きっと笑顔になってくれると願って。
彼女が白い箱をひらいたとき、
ミカにはいつかの眠りで聴いたオルゴールと同じ旋律が聴こえた。そう、これはしあわせの音。
小さく浮かんでは片隅へ置かれていた夢を誰かが覚えていてくれたように。織りなされた人と人の繋がりは私が憶えています。
きいてください。私のたったひとりの主様。
“I believe that dream will come true.”
『どういう意味?』
「あなたの夢が叶うと、私も信じてる。だって」
「私たちだけじゃないよ」
「天使たちがきっとふたりの味方だから。」
“これから沢山の夢が叶うよ。だから信じて”
天使がふたりの愛を護ってくれますように。
そして
白い奇跡が永遠に続きますように。
怪盗 Dressroom
なーんちゃって。
「「「え、キッド様!?」」」
Writing by Dressroom project.
See you later🕊⭐︎