2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Dazzling road

“で、あなたは何をしてらっしゃるのですか” [おっと、さすがだねえ天使ちゃん] “私はてっきり昨日現れるものと思ってましたが” [俺だって流石に気は遣えるさ。上手くいったみたいでよかったじゃないか。] “全く、誰のせいだとお思いですか” ミカは窓の外…

華燭の天使

眩しさが解け、ミカは目を開けた。 目を閉じたのはごく一瞬のことだったはずなのに、気づけばまた箱のようなものの中にいる自分に驚く。 “えっなんですか?!私また捕われたんですか?!” 「ミカ!ちょっと静かにして!」 “あれ、どうしてご一緒しているので…

Dress room magic

眩しさが解け、ミカは目を開けた。 目を閉じたのはごく一瞬のことだったはずなのに、気づけばまた箱のようなものの中にいる自分に驚く。 “えっなんですか?!私また捕われたんですか?!” 「ミカ!ちょっと静かにして!」 “あれ、どうしてご一緒しているので…

ココロ

“願います。彼女の夢を叶えるために。” 「「「“【大切なあなたのために】”」」」 突風が吹いた。 偽物のろうそくが消える。 反射的にミカが目を開けると、ミカとイェフヤーを取り巻くように風が旋回しやがて橋が出来上がっていく。 ミカが触れると、それは小…

The bridge of green

“人間たちには、無理よ。” 私たち天使のようにワープしてどこかへ行ったりできないし、時間に囚われ自由に動くこともできないことを知っている。人間たちには、状況をどうにもできない。 ミカは俯いた。私がいれば。私がしっかりしてなかったから。人間を守…

Liberty

【華燭】と呼ばれる偽物。 天使を閉じ込めるほどの邪術。 とにかく。 小瓶から抜け出さないことにはとミカはもがく。 その度に紅から蒼に変わるろうそくの炎に翻弄されながら、幾度と。 こんなにアナログな、自力で解決だなんて側から見ればだいぶ滑稽なのか…

宵時の厄

[さて、天使ちゃん。君は魔法はあると思うかい?] “なんなんですか唐突に…。” [まぁいいじゃないか、会話くらい楽しんでおくれよ] 怪盗キッドはカラカラと窓を開け、生温い微風が吹き込むとカーテンとマントが同じようになびく。怪盗キッドの背の先には…

悪い夢

ミカは小瓶のようなものの中に閉じ込められていたが、この小瓶自体に力はないようだった。 “私を閉じ込めて、一体なにをご所望でしょうか。” [いやいや、特別な事情はないさ。ただ君は、天使ミカエルだろう?数多のお宝を狙ってきた俺からしても中々お目に…

3枚の羽根

それに気付いたのは、案内人の人間だった。 何者かに拐われたミカは人間とコミュニケーションを取ることができなくなってしまったのである。 “観ることはできる分、よかったですよ”とひとりごとを呟く。ミカは天使なので。 ミカが人間の力を借りる間、羽根を…