2021-01-01から1年間の記事一覧

Dazzling road

“で、あなたは何をしてらっしゃるのですか” [おっと、さすがだねえ天使ちゃん] “私はてっきり昨日現れるものと思ってましたが” [俺だって流石に気は遣えるさ。上手くいったみたいでよかったじゃないか。] “全く、誰のせいだとお思いですか” ミカは窓の外…

華燭の天使

眩しさが解け、ミカは目を開けた。 目を閉じたのはごく一瞬のことだったはずなのに、気づけばまた箱のようなものの中にいる自分に驚く。 “えっなんですか?!私また捕われたんですか?!” 「ミカ!ちょっと静かにして!」 “あれ、どうしてご一緒しているので…

Dress room magic

眩しさが解け、ミカは目を開けた。 目を閉じたのはごく一瞬のことだったはずなのに、気づけばまた箱のようなものの中にいる自分に驚く。 “えっなんですか?!私また捕われたんですか?!” 「ミカ!ちょっと静かにして!」 “あれ、どうしてご一緒しているので…

ココロ

“願います。彼女の夢を叶えるために。” 「「「“【大切なあなたのために】”」」」 突風が吹いた。 偽物のろうそくが消える。 反射的にミカが目を開けると、ミカとイェフヤーを取り巻くように風が旋回しやがて橋が出来上がっていく。 ミカが触れると、それは小…

The bridge of green

“人間たちには、無理よ。” 私たち天使のようにワープしてどこかへ行ったりできないし、時間に囚われ自由に動くこともできないことを知っている。人間たちには、状況をどうにもできない。 ミカは俯いた。私がいれば。私がしっかりしてなかったから。人間を守…

Liberty

【華燭】と呼ばれる偽物。 天使を閉じ込めるほどの邪術。 とにかく。 小瓶から抜け出さないことにはとミカはもがく。 その度に紅から蒼に変わるろうそくの炎に翻弄されながら、幾度と。 こんなにアナログな、自力で解決だなんて側から見ればだいぶ滑稽なのか…

宵時の厄

[さて、天使ちゃん。君は魔法はあると思うかい?] “なんなんですか唐突に…。” [まぁいいじゃないか、会話くらい楽しんでおくれよ] 怪盗キッドはカラカラと窓を開け、生温い微風が吹き込むとカーテンとマントが同じようになびく。怪盗キッドの背の先には…

悪い夢

ミカは小瓶のようなものの中に閉じ込められていたが、この小瓶自体に力はないようだった。 “私を閉じ込めて、一体なにをご所望でしょうか。” [いやいや、特別な事情はないさ。ただ君は、天使ミカエルだろう?数多のお宝を狙ってきた俺からしても中々お目に…

3枚の羽根

それに気付いたのは、案内人の人間だった。 何者かに拐われたミカは人間とコミュニケーションを取ることができなくなってしまったのである。 “観ることはできる分、よかったですよ”とひとりごとを呟く。ミカは天使なので。 ミカが人間の力を借りる間、羽根を…

Ribbon

__“祝宴の準備は進んでいるか” 大天使アニエルに問われても、以前のミカとは別人かのように自信が持てているのであった。 __“ついておいで” ミカの信念を見抜いたアニエルは、見せたいものがあると言う。 ミカには今でもその光景が眩しいくらいに残っていて…

tag team

「華燭ってなんて読むの」 「かしょく、みたいだね」 「難しい言葉だね〜」 ミカは今、大天使アニエルが案内人として任命した3人の人間と行動している。 “実体があったほうが何かと都合よかろう”ということらしい。 なんともこの人間たちも不思議なことに、…

candles

ミカは とても心地良い眠りの中で オルゴールの音を聴いた。 それは喜びの音色で 体温がほんのすこしあがるような どこか懐かしいような ふわふわと不思議な感覚。 思い出そうとしたのも束の間 あたたかくゆらめく光に包まれて ふたたび深く身を任せた。

#天使

一方その頃、彼女の知らないところで一人の天使がとにかく焦っていた。 名をミカ、という。 10月20日の守護天使を生業にして、彼女とはまぁ長い付き合いになるのだがそんなことは彼女は知る由もない。 そして、こう、なんというか、“天使だけど厳粛な感じで…

P and M

とあるところに一人の少女がいました。 お家は彩、という場所にあるけど、週末はあまり家にいません。 背中に羽根は生えていないし、青色の猫型ロボットの道具もないけれど、それでも少女は元気に飛び回ります。 ハートの機体で雪の国にも行けちゃいます。 …

st.

はじまりはいつも、何気ない日常のなかで。