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「華燭ってなんて読むの」

「かしょく、みたいだね」

「難しい言葉だね〜」

 

ミカは今、大天使アニエルが案内人として任命した3人の人間と行動している。

“実体があったほうが何かと都合よかろう”ということらしい。

 

なんともこの人間たちも不思議なことに、ミカが姿を表したとき

「えぇ?天使?本物?えっすご!」とか

「およ!天使ちゃん!なんの御用でしょ〜」とか

「………(二度見)ほぅ。」とか

“驚くとかないのですね”と3人に同じ言葉をかけたものである。

 

この3人は大天使のことも、どういう経緯かも知らないのに、ミカの存在と言葉を信じてすんなり協力を承諾した。ミカは“もっと疑ったほうがいいと思う”とやや呆れたりもしたが、こうして天使と人間の珍妙タッグが結成されたのだった。

 

「せっかくだからチーム名決めようよ!」

「そしたらDress / room / projectでどうだ!単純すぎる?」

「和訳したら名前になるんだね!良さげ!」

 

きゃっきゃと人間たちが盛り上がってる間にあれよあれよと案が出て、検討しては解けて、また新案が出て、枠組みが固まっていく。

人間は一体どうして。

他人の一瞬のためだけに、ここまで時間をかけて話し合うことができるのだろう。

それも、とても楽しそうに。

 

最初こそミカは心底理解できない、という姿勢でいたが、3人と共に過ごすうちに少しずつ人間の気持ちというものを知ることができた気がした。

 

“目指すところは私と一緒ですね”

「大切なのは大事に想う気持ちだよ」

「返しきれないほど感謝の気持ちもあるしね」

「せっかくだから喜んでもらえるものをつくろう!」

 

ミカは彼女のことがなんだか誇らしくなった。